『長安十二時』ヒットの舞台裏に黒澤明の女・黒澤和子がいた
「長安十二時」がこのほど全国で放送され、劇中の人物の洗練された造形、精巧な衣装化粧と道具は、裏方のスタッフにも特に好奇心を抱かせた。その中で、衣装造形指導に参加した黒沢和子さんという身分が非常に特別だった。
彼女が誰なのか知らない人もいるかもしれないが、父親の黒澤明の名前を聞いたことがあるはずだ。日本映画の大御所の娘として、黒澤和子はどこへ行っても「黒澤明の女」の接頭辞を冠されるのは当然だが、実は彼女はとっくに日本の映画・テレビの衣装デザイン界に欠かせない「大黒柱」になっている。
2018年、是枝裕和監督映画『泥棒家族』の衣装デザインで、日本芸術選奨文部科学大臣賞(映画分野)を受賞した黒沢かずこ。
黒沢かずこ1954年東京生まれ、成城学園高校在学中、サンデザインに入学し造形デザインを学び、伊東衣服研究所デザイン学科にも進学。卒業後はデザイン会社を設立し、スタイリストの仕事をしている。
俳優の母親が亡くなった後、父親の世話をするようになった黒沢かずこは、接触が多くなると2人はよく似ており、「6~8時間話せる」と話題になることが多い。ある時黒沢かずこが食事の準備をしていると、突然「明日、黒沢組に入りませんか?」
これにはその後の話がある。黒沢かずこは父親の会社Kurosawa Productionに入社し、父親の秘書を務めたが、「たまたまアパレル部門に入った」。現在、Kurosawa Productionは黒沢明の息子、黒沢久雄が管理し、黒沢かずこは会社役員を務めている。
1988年、黒沢かずこが正式に入行し、黒沢明の最後の3本の映画『夢』(手伝い)、『八月狂想曲』、『夕陽の情』の衣装デザインを相次いで担当した。「(父が言った)服装は人物の性格や彼の過去の生活を表現することができるようにしなければならないという言葉を今でも心に刻んでいる」。
黒澤和子が映画・テレビ衣装デザイナーとして本格デビューするのは、小泉尭史が黒澤明の死後2年後に監督した映画「雨がやんだ」で、この映画は黒澤明の未完成作品だ。
その後、彼女はまた多くの日本の有名な監督と協力して、歴史劇と現代劇にまたがる範囲に足を踏み入れて、日本の映画・テレビの服装設計業界の大黒柱で、服装は古い技術を作るのは更にすばらしい。「(最も極端に古いものを作るのは)生地繊維を1本1本傷めさせることです。時間が足りないときは薬液を借りることもありますが、できるだけ時間をかけて、昼間に日焼けして夜はずっと洗濯機で洗い、サンドペーパーで磨きます。ほつれたところもサンドペーパーで少しずつ磨きます」
現在、黒沢かずこは毎年4~6本の映画ドラマの仕事をしている。「映画界のファッションデザイナーは少なすぎて、忙しくて止まらない。若い皆さんがこの業界に入ってきたら、私も夏休みを取ってあげることができるので、お願いします」
映画業界で活躍するほか、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、NHK大河ドラマ(日本の長編歴史ドラマ)『西郷どん』、『麒麟がくる』(2020年)の衣装デザインなど、多くのドラマに携わっている。
黒澤和子は長年の映画・テレビの衣装デザインについて、「何でもスクリーンを通して見せてくれる。誰がどんな仕事をしているのか、心の動きのようなものが出てくる。着物の袖口、裾、襟元、襦袢(着物の中に着るシャツ)の色などの細かい点に注目して、映画やテレビの衣装やそのデザインはデザイナー個人の考えや理念を表現するのではなく、監督が創造したその世界に寄り添い、俳優のパフォーマンスに花を添えなければならない」
「ファッションデザインが示す効果は、衣装自体が芸術品であり、映画・テレビ衣装は映画という『総合美術』の構成部分である」。
例えば『そして父になる』では(主人公が間違った子供を抱いていることに気づいた後の心理活動の変化をめぐって、本当の父親になる展開)、福山雅治と中川雅也が演じた2人の父親を例に、2人は異なる階級から来ており、「福山雅治演じるサラリーマンの父親は普通のスーツを購入しようと考えているが、中川雅也演じる父親は何を着ていようと気にせず、行きつけのショッピングモールにも2つの家族の違いが表れている。その人が置かれている境遇、どんな生活をしているのか、それは一つ一つ確認しなければならない事実であり、想像だけではいけない!」
2017年、堤幸彦監督の映画『真田十勇士』の衣装デザインにより、第11回アジア映画大賞最優秀造形デザイン賞に黒沢かずこがノミネートされた。
映画・テレビの衣装デザインについて、黒沢和子さんは「映画は監督の作品。それを覚えて、イメージに合った衣装を用意するのが私の仕事です。観客が見終わって、衣装に全く印象がない状態が理想です」と述べ、監督の心を推し量るのも自分の仕事の一つだと考え、「監督が作品を通じて何を表現したいのか、どのような画面を通じて表現したいのかを知る(私の仕事でもある)。映画は感性と直感を一体にする仕事だ」
起点は高いとはいえ、今では「黒澤明の娘」だけではなく、尊敬されるデザイナーとなった黒沢かずこさんは、父について「心はいつまでも情熱を持ち、負けず嫌いで、すべて父が私に遺伝してくれた」と語った。
2017年には、鎌倉市の喜川多映記念館で特別展「映画衣装デザイナー黒沢かずこの仕事」が開催され、彼女が参加した複数の映画の道具やポスター、デザイン原稿、映画に登場する衣装など、計100点が展示された。
黒沢かずこが制作に携わった作品は、
山田洋次監督『武士の一分』『東京家族』『黄昏の清兵衛』『隠し剣鬼爪』『家族の苦しみ』…
北野武監督映画:『座頭市』、『極悪非道』、『極悪非道2』、『極悪非道3』、『龍三と彼の七人党』…
是枝裕和監督映画:『そして父になる』、『歩みが止まらない』、『海よりも深く』、『花のダンサー』、『泥棒家族』…
出典:華麗志作者:蔣晶津
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